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瀬戸内海の小島で砕石運搬船の仕事を家族ぐるみで営む夫婦(井川比佐志、倍賞千恵子)がいた。しかし高度経済成長の波が押し寄せて、やがて自営ではやっていけなくなった家族は、ついに島を離れる決心をする……。
名匠・山田洋次監督が『家族』に続いて現代日本と家族の関係性を描いたヒューマン映画の名作。『家族』が旅立ってからの物語なら、こちらは旅立つまでの物語であり、その意味でも対になっている作品といえるだろう。また、高度経済成長のひずみを描いた点でも両作は共通しているが、こちらは瀬戸内海の自然を美しく描き得ることで、工業化社会との対比にもなりえている。加藤登紀子の歌う主題歌も美しくはかない余韻を残してくれている。(増當竜也)