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1973年、グリーンランド3000キロの犬ぞり単独行を成功させた植村直己(西田敏行)は、なじみの小料理屋の娘・公子(倍賞千恵子)に一目ぼれし、結婚。そもそも落ちこぼれだった彼は、放浪人生の延長として冒険という道を歩み続けていった。結婚後も、彼の冒険は続き、その間に母は死に、公子は流産。平穏な家庭を築く決意を固めた彼は、最後の冒険としてマッキンレー踏破をめざすが……。
84年にマッキンレー冬季単独初登頂を成功させた直後、遭難して死去した冒険家・植村直己の半生を描いた伝記ヒューマン映画。超大作の演出には定評のある佐藤純弥監督は、世界中に残した彼の足取りをスケール豊かに再現しつつも、決して英雄美談ではなく、あくまでも平凡な夫婦の物語として描いているのがよい。極地撮影に果敢に臨んだ西田の熱演もさながら、倍賞千恵子の存在感がドラマを見事に引き締める。ウィンダム・ヒルによる透明感あふれる音楽も効果的。(的田也寸志)