しかし何をおいても本盤の目玉トラックといえば、やはり「やさしさに包まれたなら」だろう。荒井由実時代の名曲の再演だが、74年リリースのシングル・ヴァージョンのヴォーカル・トラックに新たなヴォーカル・トラックをミックスし、過去と現在のユーミンが30年の時を越えて擬似デュエットするという趣向が凝らされているのだ。“若さ”と“円熟”の見事な共演は、いつまでも瑞々しさを失わないユーミンの音楽そのものだ。(木村ユタカ)