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新庄くんは、アホじゃない!

新庄くんは、アホじゃない!

中田 潤
定価 : ¥ 1,050
発売日 : 2001/03
出版社/メーカー : 飛鳥新社
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   あの男が、ついにメジャーデビューを果たす。ハナからレギュラーポジションを約束されたイチローのことではない。日本での通算打率が2割5分にも満たない新庄剛志が、である。野村監督から強烈な残留ラブコールを受け、球団からは破格の条件提示を受けながら「アホか!」という選択をした男が、2001年の3月末現在、ひょっとするとすべての日本人の中で最も輝いている。本書は、その野球人生を、本人および彼を「放置し」あるいは彼に「振り回された」阪神タイガースの数々のエピソードとともに振り返った、きわめてタイムリーなものだ。

   阪神をこよなく愛する(その愛情は、同球団の多くのファンに見られるように屈折しているわけだが)著者は、歴代のミスター・タイガースと新庄を対比し、幾多の理解に苦しむ言動を引き合いに出しながら、彼の特異性を浮き彫りにする。しかして、リスク管理、確率論が主流となった近代野球にあって、新庄の言動のなかに、野球そのものの本質である「空白」=「過剰さ、幻想領域」を見る。そして言うのだ。
 「泣いて笑ってズルーッとこけて、それでも私は新庄剛志を見つづける。新庄剛志にゼニを払うぞ」

   藤村富美男が、江夏豊が。単に結果だけではなく、全存在をかけて「自分が自分でありつづける」ために、「いらんこと」=「美しいこと」にこだわった。彼らの中にあるのは「タテジマの“魂”」。それを著者は「永遠に不滅」であるとする。そして、その魂を受け継いだ「最後のミスター・タイガース」は、いまやニューヨーク・メッツの一員としてデビューしようとしている。本書は、そんな「新庄くん」への愛情あふれるエールであり、また阪神および阪神ファンに贈るレクイエムだ。(豊田義博)


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