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本書ではまず、時間、資源(ヒト・モノ・カネ)、スコープ・品質の3要素のバランスをとりながら実行するという基本や、作業開始前の計画段階がきわめて重要であることなどが論じられている。作業量と時間を軸にした「プロジェクトのライフサイクル」という基準も示されており、成功に向けてプロジェクト全体を見渡す視点が得られるはずだ。
プロジェクト・マネジメントのプロセスは、「10のステップ」と、それを「発足と目標の明確化」、「計画」、「実行と管理」、「まとめ」の4つの段階に分けたもので示されている。とくに7つのステップからなる「計画」の比重は大きく、そこで役割分担や所要期間決定のもとになる「WBS(作業分解図)」や、作業の流れや依存関係をネットワーク化して「ガンド・チャート」でスケジュールをつくる方法など、貴重なノウハウを学ぶことができる。
これらのプロセスやノウハウをハード面とすれば、周囲を巻き込む人間関係の環境づくりやモチベーションの高め方など、マネジメントのソフト面の解説が充実しているのも本書の特色である。プロジェクト・マネジメントのスキルが経営においてどんな意味をもつのかも幅広く考察されており、ビジネス書としても興味深く読める。プロジェクトのニーズが高まるなか、必携の1冊といえるだろう。(棚上 勉)