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たとえ主張が論理的であっても、相手の判断基準や優先順位づけが違えば受け入れてもらえない。そこで著者は、それらを把握してメッセージを決めるなど、相手にスムーズに理解してもらう「説得的」な行為が重要になると指摘し、それを全体のノウハウに反映させている。「ピラミッド・ストラクチャー」や「モレなくダブリなく」などの論理構築にくわしい本書であるが、その前段で「論理力」「説得」「説明」などの違いや用い方を明確にしている点は勉強になる。
ノウハウは、プレゼンテーションの中身の「コンテンツ」と、それを相手に伝える「デリバリー」の2分野からなり、コンテンツの作成では、「キーメッセージ」を頂点にした論理構築、データや分析結果などによる根拠の整備、フォーカスする点を軸にしたストーリーの設計、根拠のビジュアル化と並べ替え、などを解説している。頂点のメッセージから1枚1枚のチャートにいたる明快な論理構成はとくに注目で、キーメッセージに「あなた」「御社」を含める、「勝負チャート」の作り方も、参考になる。また、「デリバリー」において相手の納得感や注意を引き出す手法は、すぐに効果が得られるものとして覚えておきたい。全体的に、営業や販売の場面を想定した解説や演習が多く、トレーニングにも最適である。(棚上 勉)