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実際に研修指導にも携わってきた著者らしく、第3章にはさまざまな状況設定のシナリオが詳細な解説付きで紹介されている。「かつては上司であった部下」「お調子者の部下」「やる気の見られない部下」など実際にありそうなケースばかりで、役に立ちそうだ。1章と2章では「叱り」の目的と本質、注意点があらかじめ説明されているので、読者はシナリオにとらわれることなく、それぞれに合った叱り方を発見することができる。
コーチングの基本理念は「人間の個性を尊重し伸ばしていく」というもの。本書でも「ほめる」ことを「叱る」ことと同格にとらえ、両者のバランスがとれてこそ効果的な指導になるとしている。相手を一方的に責めたり人格を攻撃しても、人間関係にしこりを残し円滑な業務を妨げるだけなので、これは理にかなった考え方といえよう。他人を叱るのは決して楽しいことではないが、本書で効果的な叱り方を学べばストレスを軽減できるだろう。(工藤 渉)