本書は、プロジェクト・マネジメント・インスティテュート(PMI)が展開する、職業としてのマネジメントに関する、事実上のグローバルスタンダード『A Guide to the Project Management Body of Knowledge(PMBOK Guide) 2000 edition』にまとめられた内容を補足し、さらに詳しく解説した、初めての実践的なスタンダードである。この本は、プロジェクトの立ち上げと、その後の進捗状況、ワークブレイクダウンストラクチャー(WBS)の応用に関する手引きと一般原理を提供している。プロジェクト・マネジメントを成功させるために、プランを立て、プロジェクトが効果的に遂行されるよう、プロジェクトの対象物(製品)を細かいところまで明確にしていく。WBSでは、まず、作業をプロジェクト対象物(製品)に結びつくものと定義し、完了にいたるまでの作業を管理する階層構造を確立する。細かくブレイクダウン(区分)していけばいくほど、プロジェクトに必要な作業の詳細がいっそう明確に見えてくるというわけだ。
このPMIスタンダードでは、WBS概念の基礎に関する説明がなされ、WBSとその特質を明確にしながら、WBSを活用する利点について述べられ、WBSの作り方と、それがその後の計画と管理の上で適切であるかどうかを見極める方法について解説されている。このハンドブックの他に類を見ない特徴は、11の分野のWBSが実例として挙げられている点だ。それらの事例は、本書の半分のページを割いて取り上げられていて、次に挙げる業界やアプリケーションにおけるWBSについて、読者がさらに理解を深め、独自に活用する際に役立つだろう。
- 石油、ガス、石油化学産業(OGP)
- 環境マネジメント
- プロセスの改善
- 製薬業
- プロセス・プラントの建設
- サービス業のアウトソーシング
- ウェブ・デザイン
- 電気通信
- 製油所の再建
- 政府機関のデザイン・ビルド
- ソフトウエアの実行
ここでは、プロジェクトの完了にいたるまでのさまざまな段階を例に取り上げ、順を追いながらWBSが示される。ただし、同種のプロジェクトを進める際、ここにあげられたWBSだけが適切とは限らない。本書は、プロジェクト・マネジメントの普及・研究を目的とする世界最大のプロフェッショナル協会による、この種のものとしては世界初の実践的なスタンダードである。プロジェクト・マネジャーや、プロジェクト・チーム・リーダー、派遣社員、そのほかプロジェクトのすべての局面におけるマネジメントに興味のある人は、本書により、有益で質の高いWBSを立案できるようになるだろう。